2009-10 Season

KVancouver Olympic Men

選手の皆さんお疲れ様でした。
高橋選手、メダル獲得おめでとうございます。格好よかったです。

2010.04.08
オリンピックSP/FSのTSSのスコアについて、転倒やタイムオーバーによる減点分を加算する誤りがありました。
例えばTES70点、PCS60点、減点2点の場合、正しいTSSは128点ですが誤って132点と表示していました。
お詫びして訂正申し上げます。
なお、他の大会のデータについては問題ございません。

◆Judge Score◆

9人の演技ジャッジがGOEとPCSを採点しますが、抽選により2人はスコア計算の対象外となります。
赤字は、カットされたジャッジの採点になります。
プログラムにより全ての抽選パターンにおけるスコアを計算して、スコアが公式スコアと完全一致するパターンを求めています。

MEN SP

各選手毎に、ジャッジの並びはシャッフルされています。
正確に言うと、シャッフルして表示するように今シーズンから仕様が変更されました。
詳細についてはジャッジスコアの新仕様〜高まったジャッジの匿名性〜をご覧ください。

男子SP TSS スコア
0910OL_JSM01

ScoreAが公式スコアで、ScoreBがジャッジ抽選無しのときのスコアになります。
ScoreBでは高橋選手が1位なので、SPのジャッジ抽選は高橋選手にやや不利だったと言えます。
具体的には、102.15と3ケタスコアを振舞ってくれたJ5がカットされたのが痛かった。

各選手の赤字のスコアのうち、どちらかがこのジャッジによる採点であることは確実。
想像ですが・・・おそらく高橋選手のJ5は次のような採点を行ったのではないか。

Takahashi 102.15
Lysacek 97.75
Plushenko 96.10
Chan 93.10 91.10 (2010.04.08訂正)
Kozuka 90.90
Oda 89.80
Lambiel 88.00
Weir 84.55

最終組のメンバーが結構違いますね。
明らかに日本人贔屓ですが、だからといって日本のジャッジかどうかは分かりません。
ただ、個人的には既視感があるんですよね・・・
東京ワールド女子フリー、先に滑ったお隣の選手に+3を連発しアゲ、日本人選手にはさらに上回る壮絶なアゲ採点を行ったジャッジ・・・
日本のジャッジは、あの試合と同じ方なのです。
派手な割には実効性がない。
例えば高橋選手を95点、ライサチェック選手を88点と採点した方が日本の選手には有利なんです。

男子SP TES スコア
0910OL_JSM02
男子SP PCS スコア
0910OL_JSM03

MEN FS

男子FS TSS スコア
0910OL_JSM04

FSのジャッジ抽選はプルシェンコ選手がやや不利でしたが、
ジャッジ抽選無しでもトータルスコアではライサチェック選手が0.50点上回っていて最終順位は変わりません。
しかし僅差なので、抽選次第で順位が変わったことは間違いありません。おそらく確率的には5分5分だったでしょう。
プルシェンコ選手にとっては、J5, J6がカットされなかったのが痛かった。
この2人のサゲジャッジはそれぞれTSSを2.5点程度削っています。
アメリカとカナダですかねえ。

なぜプルシェンコは負けたか。
選手の演技内容以外の観点からも沢山の理由付けができるのは、今の採点システムが深刻な問題を抱えていることを物語っています。
例えば、FSで平均から10点以上低く採点するサゲジャッジが、ライサチェックは1人なのに対してプルシェンコは2人いてカットされていない。
さらにその2人のうち1人が20点近く低く採点したから、というのもひとつの理由でしょう。

男子FS TES スコア
0910OL_JSM05
男子FS PCS スコア
0910OL_JSM06

ジャッジ採点の偏差

ISU Communication 1401による、異常採点の判定式を適用した結果です。
TESは1.00, PCSは1.50が閾値で、赤色は警告対象となりうる採点。
警告が重なると、ジャッジ資格停止になるようです。
残念ながら、偏向採点を防止するという観点からはほとんど有効でないシステムです。
評価の仕組みを理解していれば、すり抜けることは容易なのです。

男子SP TES 偏差
0910OL_JDEV01
男子SP PCS 偏差
0910OL_JDEV02
男子FS TES 偏差
0910OL_JDEV03

プルシェンコのFSを147.83と採点することも異常採点ではないという判定です。
そんな中、高橋選手のフリーのTESで異常なサゲ採点が検出されています。J5です。

男子FS PCS 偏差
0910OL_JDEV04


◆Panel of Judges◆


MEN SP
0910OL_POJM01

MES FS
0910OL_POJM02

アメリカのShean CocoというジャッジはMs. Anne G. SHEANと同一人物かな?
SPを採点した9人から、FSの採点も行う5人を抽選で選びます。
日本, イタリア, ベルギー, ポーランドが落選しました。
アメリカ、チェコ、ウクライナ、フランス、スロベニアが当選しました。
ここで、アメリカが落選していたらプルシェンコが優勝していたでしょう。




私はスケート界の人間ではないし、誰が勝つべきだということを語ろうとは思わない。
ただし、今の採点システムは今回のような試合の優劣を決めるのに全く適当でないとは自信を持っていえる。
例えば、僅差になった場合はジャッジの多数決で勝者を選ぶハイブリッド方式はどうだろうか。

一観客としてなぜ私がスケート観戦に行くかというと、選手がリスクを覚悟の上で自分の限界に挑む瞬間の緊張感がたまらなく素晴らしいから。
これは本当にスケート特有のもので、他のスポーツでも日常生活でも決して味わえない感覚なのだ。
劇場的な要素を楽しみたいのなら、私は映画や小説やゲームを選ぶだろう。
そして、スケートがつまらないと感じたら自然と関心を失うのだろう。

(2010.02.20)
(2010.02.23)